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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

太陽熱養生処理で稲わらを土中発酵させる場合の施肥設計と、ミネラルの設計テクニック

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有機農業研修も残すところ、あと2日になりました。重要なポイントを復習していきます。今回は、稲わら等を土中発酵させて堆肥がわりにし、太陽熱養生処理を行う場合の施肥設計についてみていきます。また各ミネラルの施肥のポイントもおさらいします。

太陽熱養生処理に向けた施肥設計

地域によって手に入る資材が異なるので、以下の2つのケースで施肥設計を考えていきます。

  1. 良質な堆肥があるケース
  2. 良質の堆肥が手に入らないケース(ソルゴーや稲わらを利用)
ソルゴーを利用する場合

ソルゴーを作付し、青刈りをして利用します。ソルゴーのC/N比は25/1なので、堆肥をいれたのと変わらない効果があります。またソルゴーには、バチルス系の菌も多いです。

稲わらを利用する場合

コメの作付けあとに残っている稲わらをそのまま利用します。残っているワラは、コメの収穫量×1.5倍の重さが残っていると想定して量を計算します。

例えば、500kgのコメが収穫できた圃場では、500kg×1.5 = 750kgの稲わらが残っていると想定します。 

土中発酵の施肥設計

今回の施肥設計での前提事項

今回のケースでは主に堆肥(稲わら+アミノ酸肥料)とアミノ酸の使い方についてみていきます。前提事項としては以下の通りです。

  • タマネギ
  • コメ後の稲わらを使って土中発酵させる。
  • チッソ施肥量18〜23kg、堆肥:アミノ酸 = 5:5 ※
  • アミノ酸肥料のC/N比 :低 コメ ※

※ 以下のテキストで指定されている施肥量

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ミネラルの施肥

ミネラルの施肥はいつも通りなので省略します。

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① 堆肥配合シートで稲わらとアミノ酸肥料の配合を決める

(1) C/N比25を目指して配合する

堆肥配合シートで、稲わらとアミノ酸肥料の配合を決めます。稲わらの分解を進める(土中発酵)するためにC/N比を25にします。

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(2) 水分量を入力する

各資材の水分量は以下の通り入力します。これは肥料成分表には記載されていませんが、大体このくらいという目安だそうです。

  • 稲わら:15%
  • アミノバード:25%

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(3)仕上がり水分量を入力する

これは常に20%として施肥設計をしましょう。

  • 仕上がり水分量:20%

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堆肥配合ソフトでの配合

  • 稲わら:700kg (水分量15.0% )
  • アミノバード : 195kg (水分量25.0%)

合計:895kg(C/N比26.2、水分20%)

② 基肥設計シートに転記

基肥設計シートの「堆肥配合から」に以下の情報を転記します。

  • チッソ定数:0.25
  • 施肥量:895kg(追肥の項目を使いましょう)

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③ アミノ酸肥料を追加

(1) 追加するアミノ酸肥料量の計算

すると肥料成分量は以下の通りになります。

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現在までに入っているチッソは2.5kgです。

タマネギで目指すチッソ量は

チッソ施肥量18〜23kg、堆肥:アミノ酸=5:5

なので、チッソ20kgを目指して足りないチッソを追加します。

チッソ20kg - 堆肥配合のチッソ2.5kg = 追加するチッソ 17.5kg

これでアミノ酸肥料を使ってチッソを17.5kg追加する必要があることがわかりました。

(2) アミノ酸肥料の選択

今回資材の選択肢として、例えば以下の3つがあった場合どのような選択をするか考えていきます。

  • オーガニック853 :抽出型(C/N比高)、N8.1%、P5.5%、K3.6%
  • オーガニック813:抽出型(C/N比高)、N8.0%、P1.0%、K3.0%
  • アミノバード:発酵型(C/N比低)、N4.0%、P3.5%、K2.5%、Ca9.0%

タマネギのアミノ酸肥料はC/N比が低いものを使います。(テキストに記載あり)なので、発行型よりは、抽出型のアミノ酸肥料を使う方が良いとなります。ということで、アミノバードは選択肢から外れます。

次に今回の土壌分析の測定値を見てみると、リン酸が欠乏していることがわかります。リン酸の単肥を使うのもありですが、アミノ酸肥料でリン酸が多いものを選択して供給すると良いです。そのため、リン酸が1.0%含まれているオーガニック813よりは、リン酸が5.5%含まれているオーガニック853の方が、有利と考えます。

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(3) アミノ酸を施肥する

「オーガニック853」を使うことが決まったら、アミノ酸肥料から追加するチッソが17.5kgになるように施肥します。すると、オーガニック853を220kg施肥したときに、アミノ酸からのチッソ供給が17.8kgになりました。

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テキストには、堆肥:アミノ酸=5:5になるようにチッソを施肥しましょうと記載ありますが、稲わらなどを使って土中発酵させる場合は、この比率は考慮しなくても良いそうです。

これで施肥設計完了です!

ミネラルの施肥テクニック

次にミネラルを施肥する際のテクニックを資材別にみていきます。 

石灰の施肥テクニック

溶けにくいカキ殻石灰を利用する場合、石灰の施肥は150%の量を施肥しても問題ありません。カキ殻は炭酸カルシウム(Ca+CO2)なので、土壌中で二酸化炭素を発生させ、団粒化にもメリットがあります。

また、粒や粉を使い分けることもテクニックです。石灰資材に「ハーモニーシェル」というものがありますが、これは粒も粉も混じっているので、長期的に効果があります。

苦土の施肥テクニック

苦土の施肥では、基本的に水溶性:ク溶性= 5:5で考えます。

土壌分析の結果で苦土が欠乏している場合は、下限値まで水溶性Mg(マグキーゼ等)、上限値までク溶性Mg(古代天然苦土等)を施肥します。

また、かなり苦土が欠乏している圃場の場合、苦土を多く入れたいため20cm深度の数値で設計するのもひとつの方法です。このとき、入れるク溶性Mg(水酸化Mg)は粒の資材を使うとよいです。

  • 古代天然苦土:水酸化Mg・ク溶性・粒
  • マグキーゼ:硝酸Mg・水溶性・粒

硫酸Mgには硫黄が含まれるので、しっかり溶かさなかったり入れすぎてしまった場合は硫化水素を発生させるリスクがあります。水はけが悪い圃場や水を多く必要とする場合は、硫化水素の発生を抑えたい場合は食酢を撒いたり、乳酸菌を散布したりします。

鉄とマンガンの施肥テクニック

鉄とマンガンは中量要素なので多量要素に比べて散布量が少なく、施肥しづらい場合があります。

また資材としても高額になるため、なるべく正確に土壌分析を行って含有量を調べて判断をしましょう。鉄をマンガンは土を焼くことで抽出することができます。

ゴボウやニンジンの鉄は切らさないように注意しましょう。またキュウリやトマトはマンガン欠乏にならないようにしましょう。

 

この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。