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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

【農業認証】GLOBALG.A.P.認証の概要と、取得に必要なこと

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世界基準の農業認証「GLOBALG.A.P.」。世界100カ国以上で実践されているGAP(Good Agricultural Practice:適正農業規範)の世界基準となっています。GLOBALG.A.P.と似ている認証で、J GAPや都道府県GAPなどがありますが、それらとの違いや認証にかかる費用などをまとめました。

GLOBALG.A.P. とは

GLOBALG.A.P. とは、欧州を中心に世界 100 カ国以上で実践されている GAP(Good Agricultural Practice:適正農業規範)の世界標準です。世界118カ国で15万件以上の組織が認証されています。

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画像引用:GLOBALG.A.P.

一般の消費者にはまだ馴染みはないですが、GLOBALG.A.P.を取得すると「食の安全と持続可能な生産管理」ができていると世界基準で認められることになります。

グローバルギャップ情報 - GLOBALG.A.P.グローバルギャップ情報

GLOBALG.A.P.とJGAPの違い

今でこそ、GLOBALG.A.P.の基準書が日本語化されて公表されていますが、昔はこれがありませんでした。そのため、「日本語の規準」で、「日本人の検査員」で、「安価な審査料」で認証を取得できるようにしようとできたのが「JGAP」です。

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JGAP 日本GAP協会 ホームページ

2007年に、GLOBALG.A.P.との同等性認証を得ていますが、2013年からはGLOBALG.A.P.本部(ドイツ)が「Guideline for JGAP Certified Producers aiming at GLOBALG.A.P.Certification」を公表していて、JGAPはあくまでも「GLOBALGAP」認証までの入口というような位置づけになっています。

つまり、GLOBALGAP認証を別で取る必要があるが、JGAPを取得しておけばプロセスが容易になるということになります。

いろいろなGAP

もともと「GAP」という言葉が、農業生産工程管理のことを指すので、「GAP」と付いている認証が乱立しています。なかには第三者認証ではないものも多いようです。さらに、GLOBALG.A.P.との関係性はなかなか説明しずらいものになっているのが実情です。

  • 基礎GAP(農林水産省)
  • 都道府県版GAP
  • 生協版GAP
  • イオン(株)のGAP
  • JAグループのGAP

GLOBALG.A.P.認証を取得するまでの流れ

認証には、第三者である認証期間が審査します。認証されるまでには、以下の流れがあります。コンサルタントに協力してもらう場合でも、取得までに1〜2年はかかります。

  1. GLOBALG.A.P.のチェックリストに合わせた対策を講じる
  2. 内部監査を行う
  3. 認証審査会社による本審査を受ける
  4. 審査時の指導事項を修正し、再度判定審査を行う。
  5. 認証取得

GLOBALG.A.P. の取得・運営費用

GLOBALG.A.P. 認証の取得には以下のような費用(合計258万円)がかかるそうです。(北海道のとある圃場のケース)それだけではなく、基準に合うようにする圃場・機材の整備や人件費もかかってくるので、大規模な農家じゃないとなかなか手を出せない認証だと感じます。

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参照元:【PDF】北海道青果物産地におけるGLOBALGAP導入に関する一考察 

また上記以外にも、年2回の抜き打ち審査もあるので、その費用を鑑みると

  • 初期審査:250〜300万円
  • 2年目〜 :100〜150万円/年 ※ 

※ 初期の旅費滞在費、審査・認定料を参考としていますが、正確にはわかりません。

GLOBALG.A.P.基準文書4.0-2版

現在「GLOBALG.A.P.基準文書」は5.0-1版まで発表されていますが、日本語への翻訳にタイムラグがあるため、日本語版として最新の基準書は4.0-2版となります。この基準文書を元に、実際にどのように管理・運営するかを定めた「内部規定」を作る必要があります。

GLOBALG.A.P.協議会のWebサイトからExcelファイルをダウンロードすることができます。

日本語 チェックリスト - GLOBALG.A.P.グローバルギャップ情報

基準書の内容

基準書の内容はかなりボリュームがあるので、全部は紹介できないためほんの一部を紹介します。

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基準書には、管理点として以下のように記載されています。

【農場の履歴】

  • 各圃場や区画を「標識」を見ることで識別できるか
  • 各圃場や区画を図面や地図で参照できるか
  • 各区域の農業活動について記録する仕組みがあるか

前提としてはこうった管理をすることで、あらゆるリスクを回避することを目指しています。例えば、「標識」を立てることについても、以下のようなリスクに対する対策であると捉えられます。

【標識を立てることで回避(軽減)可能なリスク】

  • 関係者以外が誤って圃場に侵入、作業してしまうリスク
  • 農薬の飛散(ドリフト)のリスク
  •  作業者自身が圃場を間違えてしまうリスク

その他にも、ざっくりですが、以下ような管理点が示されています。

【農場の管理】

  • 圃場管理はもちろん、隣接する環境に対するリスク評価を見ることができるか。
  • リスクを最低限に抑えるための管理計画があるか。
  • リスクに変化があった場合見直しをしているか。

【記録の保持と自己評価/内部検査】

  • 最低2年分の記録が保管されているか。新規審査の場合は最低3ヶ月分の記録があるか。
  • 最低年に1回、内部検査を行っているか。(文書証拠が必要)
  • 内部検査で見つかった不適合な点について、是正措置をとっているか。

【作業者の健康、安全、福祉】

  • 健康と安全に対するリスク評価文書があるか
  • 健康と安全に対するリスクについての手順書があるか(見直しをしているか)
  • 作業者に健康と安全に関する教育訓練をしているか(作業者の仕事に対する力量が証明できるか)
基準書の用語解説

基準書にある用語をご紹介します。

  • AF = 農場
  • CB = 農作物
  • FV = 青果物(収穫物)
  • 上位の義務 = 必ずやるべきこと
  • 下位の義務 = 必須ではないがやっておいたほうがいいこと。

 

この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。