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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

新・農業人フェア【大阪】で情報収集したブースまとめ

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2016年6月4日(土)に大阪で開催された新・農業人フェア。全部で127のブースが出展していて、さすがに1日で全て回り切ることはできませんでした。いくつかブースで就農についての情報をゲットしたので、この記事でまとめてご紹介したいと思います。

 新・農業人フェアの全体の様子はこちらの記事をご覧ください。

ag.dotsnest.com

福井県新規就農相談センター

1件目に訪ねたブースが福井県新規就農相談センターさんです。"訪ねた"というよりも会場を歩いていたら、声を掛けられてブースに案内してもらった感じでした。福井県では各地で農業をやっていますが、特にあわら市や坂井市が新規就農者の取り組みに積極的なのだそうです。

ふくい園芸カレッジ

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ふくい園芸カレッジ(福井県新規就農支援施設) | 福井県ホームページ

ふくい園芸カレッジは、新規就農希望者向けに研修を行う施設で、模擬経営研修としてハウス施設や露地で実践的に農業経営ができるそうです。毎年4月スタートの2年間の研修で、受講料は無料です。農水省の青年就農給付金準備型を利用すれば、年間150万円の給付を受けられます。ふくい園芸カレッジでは、1年目にいろいろな作物をつくって自分の作りたい作物を見つけ、2年目からは"里親農家"と呼ばれる地元の農家さんと一緒に農業することになります。ケースによっては、2年目からすぐ就農することもできるし、すぐに里親農家さんの元で修行することもできるそうです。また、4月スタートでなくても、受け入れてくれる"里親農家"さんが見つかれば、この制度を利用することができるそうです。

その他、福井県の情報

  • 福井では、施設園芸と露地を組み合わせながら農業をやる人が多かったが、現在は、高齢化でハウスをやるひとが少なくなり、余ったハウスも出てきている。ただし、老朽化しているものもあり、すぐに新規就農者が使えるかは条件による。
  • 施設園芸をするなら30a(3反)は最低必要だろう
  • 品目としては、メロン、トマト、サツマイモ、ネギ、キャベツ、ブロッコリーなど。
  • 福井県で有機農業をやっている農家は少ない。

島根県浜田市

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画像引用:交通・アクセス|浜田市

続いて訪れたのが、島根県浜田市のブースです。浜田市へのアクセスは、大阪から新幹線で広島へ行き、そのあとバスを乗り継いで行きます。徳島からだと車で片道4時間半の場所にあります。浜田市は、寒いといわれる山陰のなかでも比較的温かい地域らしく、降雪も少ないそうです。(※ 調べてみると、旧金城町・旧旭町は豪雪地帯に指定されています。旧弥栄村の気候は、Wikipediaによるとこんな感じらしいです。)

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浜田市 - Wikipedia

浜田市は、海岸一帯からすぐ山が広がる地形で棚田が多く、主にコメの栽培が盛んなのだそうです。

浜田市には、やさか共同農場さんや株式会社ぐり~んは~とさん(いわみ地方有機野菜の会)といった有機栽培の野菜を扱う販売グループもあり、有機栽培をする点では協力体制ができているそうです。ちなみに、株式会社ぐり~んは~とさんは、島根県農林水産部農畜産振興課の「いわみ地方有機野菜の会」で事例紹介されていて、以下のように紹介されていました。

  • 20~50代(平均36歳)の若手生産者10名による施設有機野菜栽培
  • H20年には販売会社も立ち上げ、有機野菜の有利販売を実現
  • 組織内で研修の受け入れ、就農までの技術支援など人材も育成
  • 約7haで約2億6千万円を売り上げ、高収益な有機農業を実現 

また、浜田市で有機農業に取り組んでいる農家が多いこともあって、最近、有機農業普及計画を策定したところで、補助事業も策定しはじめているそうです。各自治体に農業担当者がいて、農業や生活面のフォローもしてくれます。

浜田市ふるさと農業研修生育成事業

浜田市が独自で取り組んでいる研修事業「ふるさと農業研修生育成事業」は、地元の先進的な実践農業者のもとで経験を積みながら研修ができるそうです。研修は4月スタートと10月スタートがあって研修期間は約1年になります。研修手当として月額150,000円の給付が受けられるそうです。さらに、住宅手当があり、家賃の半分(最大20,000円)が補助されます。

浜田市ふるさと農業研修生育成事業について|浜田市

1年の研修を終えると、青年就農給付金準備型を利用した自営就農または雇用就農をするか、島根県が独自で取り組む「半農半X支援事業」を受けることになります。青年就農給付金準備型は年間150万円の給付ですが、浜田市がさらに30万円の上乗せをして合計180万円/年の給付になるそうです。

浜田市ふるさと農業研修生育成事業の実施計画としては以下のスケジュールを予定しているとのことです。

  • 現地視察会 8月6日(土)〜7日(日) ※7月10日までに要問い合せ。
  • 短期研修3〜5日間(8月下旬)
  • 審査会(9月上旬) 
半農半X支援事業(島根県)

半農半X支援事業は、独立農業をしながら別で就労し収入を得たり、雇用就農しながらら独立就農するなどの掛け合わせができる制度で、1か月当たり12万円の補助が受けられます。この事業にはその他にも、「半農半X開始支援事業(ハード事業)というのもあって、営農を始める際に必要な施設整備の経費の3分の1以内(上限100万円)を補助するそうです。

島根県:島根県は「半農半X」を応援します(トップ / しごと・産業 / 農林業 / 農業振興 / 担い手の育成 / 新規就農 / 半農半X)

住宅

浜田市は住宅の支援も充実していて、空き家マップを用意しているそうです。浜田市雇用促進住宅というのもあって、家賃15,200円という破格の物件もあります。

農地の状況
  • 元々コメのエリアで近年から施設栽培を始めたという感じで、現在空きハウスはあまりないそうです。バラ栽培のハウスの空きはあるものの、野菜栽培では使いづらい環境のものが多いそうです。
  • ハウスを立てるには、周辺設備も含めて1反あたり1,000万円程度かかるそうですが、新規就農者認定を受けた人出あれば、島根県から1/3の補助がでます。それにさらに浜田市が1/3の補助をするので、実質的な自己負担が1/3で済むことになります。また、国の無利子融資もあるので、借り入れをして施設を作ることになるのが一般的のようです。
  • 農業機械を揃えるとお金がかかるので、最近新規就農した人だと露地とハウスを組み合わせながら資金づくりをしているケースもあるそうです。
  • 降雪は一定量あるので、雪仕様の太いパイプのハウスが必要になるそうです。降雪は11月〜3月頃まであるそうです。
U・Iターン希望者滞在費補助

U・I ターンを検討している人向けに、滞在費を1泊あたり2,000円助成されます。

浜田市へのUIターンを検討中の方に宿泊費を補助します!!|浜田市

弥栄エリアに宿泊する場合は、さらに助成があるようです。詳細はメモしそびれたので、浜田市へお問い合わせください。

島根県江津市(ごうつし)

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江津市は2万5千人くらいの人口で、先ほど話を聞いた浜田市の隣にあります。日本海に面していますが、海岸一帯のほかは中山間地がほとんどなのだそうです。現状、有機JAS認証を取得している農地は40ha近くあるそうです。「有機農業を応援しています」と大きく掲示されていたので、話を聞きにいってみました。話を聞いてみると、独自の制度や取り組みは特になく、島根県や農水省の制度を利用することになりそうです。ただ、調べてみると「江津市環境保全型農業推進方針」を策定していて、緑肥作物利用技術の拡大や環境にやさしい農業の拡大の目標を定めているそうです。

江津市環境保全型農業推進方針 - 江津市ホームページ

[PDF] 江津市の取り組み

江津市の有機農業に取り組む農家さん 
  • 有限会社はんだ [WEB](水稲、ダイズ、ゴボウ、ニンジンなど)
  • 桜江町桑茶生産組合 [WEB] (有機農業の6次産業化)
  • 香の宮 F&A(ホウレンソウ、コマツナなど)
UI・ターンのための島根の産業体験事業

ふるさと島根定住財団が実施する事業で、月12万円の補助を受けながら1年間、農業などの体験をすることができます。

「UIターンしまね産業体験」の募集について

丹波市新規就農相談窓口

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丹羽市は「有機の里」とも言われていて、国が具体的な有機農業推進施策をする前から有機農業の普及に取り組んでいる地域です。有機農業に取り組んでいる方は、市内で50名くらいいるそうで、仲間作りがしやすいとのこと。「丹羽の野菜はおいしい」といった地域ブランドもあるので、市外がら丹羽にきて有機を取り組む人も多いそうです。

丹羽市の農家
  • 農業生産法人株式会社 耕す 丹羽農場 [WEB]  *音楽プロデューサーの小林武史と、Mr.Childrenの櫻井和寿に、坂本龍一氏を加えた3名が出資したap bankが出資した会社
  • パブリックキッチン [WEB] *私たちが農場見学した農家さんです。
  • 丹波リーフ株式会社 [WEB]
  • ワタミファーム 丹羽農場 [WEB]

丹羽市の農家さんについては、「丹羽市有機の里づくり推進協議会」のWebサイトで紹介されています。

有機の里・丹波 - 丹波市有機の里づくり推進協議会

その他の情報
  • 家賃1/2の助成あり(上限4万円)
  • 農業機械導入費用1/2以内の助成あり(上限60万円)*国の助成にプラス
  • 農業施設導入経費1/2以内の助成あり(上限60万円)*国の助成にプラス
  • 空き家情報などは丹羽市が仲介斡旋可能。
  • 丹羽市で農業を目指すのならば、3〜400万円を貯蓄し切り崩しながら生活をしたほうが良い。もしくは研修制度を利用。
  • 認定農業者(年間530万円の収益を目指す)に認定させるにはハードルが結構高いらしい。
  • JAの助成もあるので調べてみるとよい。
特定非営利活動法人いちじま丹波太郎

NPO法人いちじま丹波太郎は、丹羽市での就農支援を行なっている団体です。研修施設や制度があるわけではないそうですが、いろいろ情報提供をしてくれるそうです。現状、農業研修を兼ねての雇用就農を受け入れてくれる農家さんは3件程度は思い当たると仰っていました。(丹羽市の雇用研修費助成の対象はもっと多いそうです)

いちじま丹波太郎ホームページ

セミナー:消費者と楽しむ新しい農業(キャルファーム神戸の大西さん)

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ブース回りの間に、「キャルファーム神戸」大西さんのセミナーにも参加しました。

Cal-farm KOBE キャルファーム神戸 新しい「農」へ新提案

大西さんは実家が農家だったこともあり、Uターンで就農したそうです。現在は神戸の西区で野菜や水稲の生産・出荷を行っています。また、農作業と"婚活"や"料理"などのイベント体験を結びつけ、新しい「農」の提案を行っています。

大西さんのバックグラウンド

2001年にUターン就農し、トマトなどを生産しては選別して出荷する日々だったそうです。それだけではもったいない、一体なんのためにやっているのか悶々とするようになりました。

現在のイベント事業のきっかけになったのが、就労体験の事業として50名のニートを受け入れたことだったそうです。初めてのことで受け入れ自体は大変だったようなのですが、事後アンケートでは98%の満足度評価でかなりの高評価でした。大西さん自身は農業はこのままでいいのかと憤りを感じていましたが、初めて農作業体験をした人からすると、新鮮な体験ができ充実感が得られたというわけです。そこで大西さんは、「農業はもっとオープンであるべきだし、もっといろいろな人が楽しめるのではないか。」と考え、現在の事業にたどり着いたそうです。農業をやるときに、「自分がいいものを作ろう/儲かろう」といった自己満足から、一歩ぬけ出すとまた新しい道が見つかることがあります。

イベント事業は「人生のなかに農業という時間をとりいれ豊かさを実感する」といったコンセプトで行っているそうです。イベント自体は、婚活会社やイベント会社さんと共同で実施するため、集客を自社でがんばる必要はなかったそうです。ただ、現在はSNSがあるので、集客のハードルも下がっていると仰っていました。

ワクワク農業のためのヒント

大西さんなりに考えた"ワクワクする農業"のためのヒントは、以下の3つです。

  1. 常に疑問をなげかける
  2. すべては繋がり、循環する(技術力、データ収集・分析)
  3. 掛け算でオンリーワンに(趣味・特技・能力と農業を掛け合わせる)

大西さんが強調していたのは「農業における目的を手段にかえる」こと。ごく一般的な農業のイメージは野菜をつくって出荷することです。でも、それだけではなくて野菜を作る過程や農家さん個々の能力によって、"野菜を作る"ことを目的ではなく手段にすれば、オンリーワンのいろいろなスタイルの農業ができます。

大西さんの講演内容を簡単にまとめてみました。確かに農業はいろいろなスタイルがあるので、「野菜を作る」ためにどうするかを考えるのではなく「どんな農業をしたいか」といったスタイルで考えてみると、個性を活かせるなと感じました。 

株式会社美ら菜(さい)

私の故郷、沖縄からもフェアに参加している農業法人さんがいらっしゃったのでお話を聞きにいきました。株式会社美ら菜(さい)は、バジルなどのハーブを中心に栽培し、都市圏に販売している宮古島の会社さんです。有名なところでは、ドトールコーヒーのメニューにもバジルが使われているそうです。また、バジルを使ったパスタも作っていて、米国向けに輸出しているそうです。

宮古島というと輸送費が気になりますが、バジルは日持ちがするので空輸ができ、早いときだと朝収穫したものを、その日の夕方にはスーパーに届けているのだそうです。

実力主義で、作業が早いとかWebができるとかスキルがあればその分報酬があがるとのこと。採用に向けては2週間の実地研修に参加が必要です(行きの交通費は自己負担ですが、採用可能性があれば帰りの航空券は支給)

ホーム - churasai Jimdoページ

おむすびーず

おむすびーずは、株式会社FPIが行っている就農・定住支援事業で、高知県での3週間農業インターンシップや田舎合宿などを行っています。"農業が自分に合うか"という点を探るきっかけにすることができます。3週間の農業インターンシップは無料で体験できるそうです。

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おむすビーズ|農と人、町と人、人と人を結ぶ就農支援情報サイト

京都府農業総合支援センター

最後に行ったブースが京都府農業総合支援センターさんです。相談で「有機農業で独立に向けた研修(雇用就農)を考えている」と相談したところ、有機は難しいからある程度慣行で経験を積んでからの方がいいというアドバイスでした。「有機 = 難しい、儲からない、消費者もそんなに求めていない」といったことを強調されてしまいました。。また京都の場合、よそから来た人への警戒心も高いそうで、農業総合支援センターさんがフォローに入って地域との繋がりを作るそうです。

農林水産業ジョブカフェ

新規就農希望者の相談窓口として「農林水産業ジョブカフェ」があるそうです。農地見学や就農希望の農家さんの情報提供をしてくれます。

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相談時間 午前9時~正午・午後1時から午後5時(日、祝日を除く)

住所   京都市南区東九条下殿田町70 京都テルサ西館3F

※ 要予約。メールでの相談も可。

 

イベント:新規就農希望者と農村を結ぶ集い

新規就農者と現地の農家さんを集めて、マッチングイベントを行うそうです。

日時:2016年7月31日(日) 10〜16時

場所:京都府立農業大学校

定員:40名(先着)

参加費:無料(交通費、昼食代は自己負担)

申し込み方法などの詳細は、Webサイトで後日公開されるそうです。前年のイベントはこちらのページで紹介されています。

農業を始める/新規就農希望者と農村を結ぶ集い

担い手養成実践農場

京都府では、新しく就農を希望される方を対象に、技術習得から就農までを一貫して支援する実践的な研修の場として「実践農場」を整備しています。ある程度、農業技術を勉強したあとに、農地や施設を紹介してもらい2年間の研修をすることになります。

担い手養成実践農場整備支援事業のあらまし/京都府ホームページ

まとめ

mitologが書いたこちらの記事でも、このイベントに参加して感じたことが書かれてますが、私も同じ印象です。

ag.dotsnest.com

有機への風当たりの強さや、担当者による印象差は特に大きいなと感じました。また、イベントは10:30〜16:30までの長丁場で開催されていた割には、1つのブースあたり40〜50分ほど説明・相談をしたので、合計6つのブースしか回ることができませんでした。。せっかく100以上のブースが来ているので、もっと短い時間で回れればよかったなと思います。新・農業人フェアは今後も全国各地で開催されるので、参加される方は参考にしてみてください。

新・農業人フェア PRODUCED BY RECRUIT