ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

微生物(納豆菌・酵母菌・乳酸菌)を培養して液肥を作る〜有機農業研修レポート〜

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今回は、有機農業で活躍する微生物の中でも特に代表的な、納豆菌・酵母菌・乳酸菌の特徴と培養の仕方を勉強しました。実際に、市販の納豆やドライイースト、乳酸菌飲料を使って液肥づくりの実習も行いました。

棚持ちのいい野菜とは
  • 外壁のセルロースが強い
  • 細胞ひとつひとつに張りがある(細胞内からの圧力と外からの圧力のバランス)
  • 細胞内のミトコンドリアが作る老廃物に耐えられる抗酸化力がある(細胞の寿命)

培養環境づくり

微生物を培養する際、空気量、温度、エサなどを目的の菌に合わせて調整します。

主な気性
絶対好気 糸状菌
放線菌
通性好気 納豆菌
バチスル菌
通性嫌気 酵母菌 ※
絶対嫌気 クロストリジウム菌
乳酸菌
光合成細菌

※ 好気の場合、エアレーション装置などで空気を送ります。
※ 酵母菌はすべての環境に対応可能です。
※ 絶対嫌気の環境を作る場合、水を一度沸騰させて空気を抜いたものを使います。

微生物のエサ

微生物を培養する際は、エサも一緒に入れて培養します。エサは大きく以下の2つに分類できます。

  • 糖分    → 菌のエネルギー源になる
  • タンパク質 → 菌のカラダになる

その他、以下の点にも注意します。

  • 砂糖の濃度は、水の量(g)に対して3〜5%にします。砂糖が少ないほうがじっくり長生きし、砂糖が多ければ早く培養できます。
  • 砂糖類を使う場合は、三温糖ではなくサトウキビ糖を使います。
  • 酵母菌は元々栄養をもっているので、糖のみで培養可能です。
  • 納豆菌と酵母菌は簡単に培養できるため、同時に散布すると良いそうです。
  • 乳酸菌は砂糖も苦手なので、培養にはてんさい糖(オリゴ糖)を使います。
  • 光合成細菌は、エネルギー源として糖ではなく酢で培養します。

納豆菌(バチルス菌)

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納豆菌の効果
  • カビ胞子に取り付き発芽を抑制する
  • デンプンやタンパク質を分解する酵素を体外に分泌する
  • 有機酸の他、ビタミンB群を生産する(ビタミンB=抗酸化力)
  • 生長ホルモンのサイトカイニン様物質を作り生長を促進する。
  • 二酸化炭素は発生させないため、団粒化には直接効果はない。
納豆菌の培養方法

材料

  • 純水(またはミネラルウォーター)14.5L
  • サトウキビ糖 580g(水の重さの3〜5%)
  • 無調整豆乳 100ml

行程

  1. 水の重さの3〜5%の糖とミキサーで砕いた納豆(もしくはかき混ぜて、豆をザルでこした納豆液)を、純水にいれます。
  2. 無調整の豆乳を加えます。
  3. 金魚飼育に使うミニヒーターとエアレーション器具を入れ、30℃を保ちます。(エアレーションの目安は体積の1%程度)
  4. 栄養状態がよく温度も充分であれば、1個の納豆菌が16時間後には40億個になっています。

酵母菌

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酵母菌の効果
  • アミノ酸肥料を腐らせない
  • 炭酸ガスを発生させ、土壌を団粒化する
  • 稲モミ種の酵素を出し、カビや病原体を殺菌する
酵母菌の培養方法

材料

  • 純水(またはミネラルウォーター)14.5L
  • サトウキビ糖 580g(水の重さの3〜5%)
  • 市販のドライイースト 1袋

行程

  1. 水の重さの3〜5%の糖とドライイーストを純水にいれます。
  2. 密閉容器に入れ、30℃を保ちます。(常温でも可)
  3. 18時間待てば完成です。(なるべく24時間以内に使用すると良い)
その他の方法

おから100:水1で混ぜたものに、培養した酵母菌(パン酵母)を加えて培養するケースもあります。

乳酸菌

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乳酸菌の効果
  • 乳酸をつくり、他の菌の働きを悪くする
  • ジャガイモのソウカ病対策
  • 畝間に溜まった水の腐敗防止
  • 水はけが悪い場合、水の中にある腐敗菌の活動を抑制することができる。
  • 納豆菌(バチルス)の働きも抑制してしまうので、使い方には要注意。
  • "ラブレ菌"という乳酸菌は炭酸ガスを発生させる(土壌団粒化とまではいかないが、水はけの悪い場所に効果的)
乳酸菌の培養方法

材料

  • 純水(またはミネラルウォーター)2L
  • てんさい糖(オリゴ糖) 80g(水の重さの3〜5%)
  • ラブレ菌飲料
  • すりおろしニンジン 

行程

  1. 水の重さの3〜5%のてんさい糖とラブレ菌飲料、ミキサーなどでジュース状にしたニンジンを、純水にいれます。
  2. ペットボトルなどの密閉容器に入れ、30℃を保ちます。(常温でも可)
  3. 2日待てば完成です。

光合成細菌

光合成細菌の効果

・腐敗し、硫化水素(腐敗物質)が発生している際、その発生を緩和する。

・絶対嫌気の菌で、水の中でしか行きていけないため、畑に撒いても放線菌のエサになってしまう。主に水田などで利用する。

光合成細菌の培養方法

材料

  • 純水(またはミネラルウォーター)2L
  • 食酢 80g(水の重さの3〜5%)
  • 市販の水槽用光合成細菌
  • フィッシュソリブル(発酵型のオーガニック系でも良い) 少々
  • 硫酸鉄 少々

行程

  1. 上記の材料を混ぜあわせ、透明の密閉容器に入れる。
  2. 直射日光は避けつつ、光のあたるところに置き30℃を保ちます。
  3. 約3日待てば完成です。

 

この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。