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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

「野菜つくりの実際②」堆肥の勉強会 に参加しました

今日は、僕達の通うとくしま有機農業サポートセンター の校長である小祝先生の講義が聞ける!ということで、「野菜つくりの実際②」堆肥の勉強会 に行ってきました。

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BLOF理論

内容に移る前に、本ブログでも何度も出てくるBLOF理論を少しご紹介します。理論と言うとなんだか仰々しいですが、つまりはこの画像に集約されます。

円の下半分を占める堆肥と太陽熱養生処理をベースとして、アミノ酸肥料とミネラル肥料をうまく使うことによって「高品質」・「高収量」・「高栄養」の作物を栽培する技術です。また、これまでの職人的な農業スタイルから、データを重視した再現可能な農業を目指すという部分も特徴です。

で、この理論を体系化したのが、今回講師の小祝政明先生です。

勉強会の概要

今日はBLOF理論の3つの分野の中で最も重要な堆肥・太陽熱養生処理のお話でした。午前中は講義、午後は実際に堆肥を作っている「豊徳」さんと、「ミートショップふじおか」さんの堆肥場を訪ねました。

会には恐らく30名以上の方が参加していて、中には大阪や岡山から参加された方もいました。年齢層も20代から恐らく70歳オーバーな年配の方ももいらっしゃってかなり幅広かったです。

講義

講義では、主に堆肥の大切さと、簡単な施肥設計ソフトの使い方を教わりました。

  • セルロース(センイ)がどうやって水溶性炭水化物に変化するか
  • 土壌団粒が収量UPにどうして大事なのか
  • C/N比ってこういうこと
  • 微生物が土壌団粒や病害虫予防に関わってくる
  • 根っこがどのように土中のミネラルやチッソを吸うのか
  • 醤油粕も実は堆肥として使えるがコツがいる

などなど、ここでは書ききれませんが理屈でしかも分かりやすい言葉で教わりました。あと勘所のような話も聞けたのは収穫でした。チッソ飢餓がおこるだろうC/N比はこんくらいとか、牛糞は水分量大体このくらいとか。

堆肥判断

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講義の最後は、こんなふうに堆肥をお湯で割って、これが果たしていい堆肥なのかどうかの判定を行いました。粒子が細かく且つ下部が濃ゆいグラデーションをしている堆肥がいい堆肥。それだけ炭水化物が液化しているという事で、植物に吸収されやすいということになります。逆にセンイが浮いてきたりグラデーションの層ができない堆肥は、未熟堆肥で、土にまくと分解するために土中の微生物が活発になり根っこまで分解してしまう恐れがあります。

また、いい堆肥は臭くなく、つまんでみるとねばっとしていて、ペースト状(つまり炭水化物の液状化が進んだ状態)になるとのこと。

堆肥を判断するには、五感を駆使してイマジネーションを働かせることが重要という言葉が印象的でした。

みみず糞土の豊徳

まずはみみず糞土を作っている豊徳さんの堆肥場を訪問させてもらいました。

堆肥場は小松島市にある日本製紙さんの会社の中にありました。広大な敷地に、煙突のたった工場やら実験場やらソーラーパネルやらがズラリと並んでいて、その中に堆肥場もありました。普段見ている田園風景とは違ってかなり大規模な施設だったのでまるで米国か北海道に来たような感覚でした。

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上の写真は、みみずのエサとなる廃菌床の山です。左手前が一番若く、右手前が一番古い状態です。よーくみると、一番若いものはセンイが荒くのこっていて廃菌床そのものですが、古いものは粒子が細かく、センイが分解されているように見えます。途中の行程で炭水化物を含む牛糞を2回ほど加えて発酵を進めているそうです。

ここで一山1ヶ月かけて発酵し、10ヶ月経つと、ようやくみみずのエサになります。

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この小さなテントでみみずたちが土を堆肥化してくれています。

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上から徐々にかさ増ししていき、下の層に完成した堆肥が蓄積される形だそう。

堆肥の中には色々な菌がいるそうですが、放線菌の仲間であるトリコデルマ菌が多くいて、元は8%くらいだったものがみみずの体を通ることで45%くらいにまで増えるそうです。放線菌は病害虫の殻であるキチン質を分解してくれるので、植物の病害虫予防になります。同時に、みみずの体を通ることで土はより細かな団粒構造を作り、植物が根をはりやすい環境につくりかえてくれます。

講義の際に、良い堆肥は手ですりつぶすと、ネバネバするといってたんですが、まさにこの堆肥はそのとおりでした。しかも廃菌床を使うと有機JAS通らないと思っていたのですが、ここは有機JAS認証なので安心して使えます*1

ミートショップふじおか

こちらは、僕らが実地研修をさせてもらっている樫山農園さんの近くにある、ミートショップふじおかさんの堆肥場。20m以上はありそうな天井の高い牛舎を通り抜けた奥に、堆肥場がありました。何年か前に堆肥管理の法律が変わったらしく、その際に1500万かけて増築して設備を整えたそうです。

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上の写真は1次発酵でエアレーションをしている様子。エアーは下の写真にあるように、パイプから均一に供給されるようになっています。また、一定期間経つと逆サイドに切り返してそこでまたエアーを入れるとのことでした。

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この牛さんたちが出す糞から堆肥が作られています。食べ物はムギ、ワラ、ふすまなどなど植物性センイが豊富で、かつ肉牛でメス牛なのであまり尿をしないとのこと。尿をしないということは、糞が嫌気になり腐敗が進みにくいというになります。

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1次発酵が終わったら2次~3次発酵に進みます。ここでは、機械で均一に切り返しが行われます。また写真ではわかりにくいですが、上部からミストもでるようになっていて、水分量の調整もしているとのことです。

出来上がった堆肥は約10Kg100円で買うことができます。少しセンイが残っている感もありますが、価格が安いですし牛糞にしては水分量も低めなので、少しカスタムしてあげれば使い勝手は良さそうな印象です。

感想

講義はコールアンドレスポンス方式でwhyを掘り下げる形だったので、凄く分かりやすかったです。概ね内容は理解はできたんですが、講義してみろと言われても無理...復習は必須です。

あと今回は、以下の本で書かれている内容を網羅している訳ではなかったのですが、まだ教わっていない部分も聞くことができたのは良かったかなと。

反省点として次はもっと勉強会に参加している方とも交流できればと思いました。横のつながりは双方にとって後で活きてくると思うので。

ということで、実り多い勉強会となりました。行けるよう調整してくれたサポートセンターの方々には感謝です。 次は6月後半にあるとの事なので、次も是非とも行きたいです(笑)。

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*1:要は廃菌床を使っていたとしても、その材料や製造過程がオープンになっていればいいそうです