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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

有機農業で新規就農を目指している人にオススメな本のご紹介(技術書編)

読書

こんにちは、農業の世界に入って1ヶ月経過した程度ですが、今回は僕ら(本ブログ運営者2名)が普段読んでいる、参照している、または今後読もうと思っている本を技術的な内容に限ってご紹介したいと思います。

紹介しているそれぞれの本のバナーなんぞが貼られていますが、あくまで画像参照とかamazonコメント閲覧等のためで、本を買う前に最寄りの図書館に行って試し読みしてみることを強くオススメします。

本記事はどんな方にオススメか

現在新規就農を検討していて、

  • 高品質多収量なビジネスとしての有機農業がしたい
  • 土を使った農業がしたい
  • 温室(ハウス)栽培したい
  • 知識から身につけたい

という方にはちょうどいいのかなと思います。

カバーする分野

これまで勉強した中でおおよそこの3つの分野が特に重要なのかなと思っています。

  • 植物生理
  • 土壌・微生物の活用
  • 環境制御

以下で、それぞれ分野毎にオススメの本を紹介してみます。

植物生理

作物を作るには、まず作物を知ることからはじめましょう。"作物"は彼女とも置き換えられますね。

植物の体の中では何が起こっているのか

植物の体の中では何が起こっているのか (BERET SCIENCE)

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タイトルとか表絵はちょっと神秘主義ぽい感じがしますが、中身は全くそんなことはありません。

植物生理学を専門とする先生の話を、自然科学系に強いフリーライターさんが一般向けに噛み砕いて説明してくれていて、理解が深まるコラムや図も交えながら植物のしくみを科学的に網羅的に理解できる本になっています。ただかなり深いところまで書いてある箇所もありますので、何度も読み返し復習するといいかと思います。

絵とき 植物生理学入門

絵とき 植物生理学入門

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こちらは、前述の『植物の体の中では何が起こっているのか』と紹介内容は近いですが、こちらの方がより図を多く使っていて、教科書的な趣がある印象です。ただ大変読みやすいので、前著とあわせて読むと理解が深まると思います。

ニュートン 2008年 4月号

Newton (ニュートン) 2008年 04月号 [雑誌]

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こちらは、光合成の仕組みがかなりグラフィカル且つ詳細に描かれているのでオススメです。個人的には、なぜFe(鉄)とMn(マンガン)とCu(銅)が光合成で必要なのか、またリンがどういう働きをしているかが、これのおかげで理解(とまではいかないにしても...)することができました。ただ、植物生理の研究は着実に進んできていて、本書で「植物による水分解は光合成における最大のなぞ」と紹介されていましたが、少しずつ解明されてきているようです。*1

ミネラルの働きと作物の健康

ミネラルの働きと作物の健康―要素障害対策から病害虫防除まで

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鉄やマグネシウム、マンガン、銅、etc...植物が必要とするミネラルは17種類あると言われています。本書では、それら一つ一つのミネラルが植物に対してどう機能するかを詳細に紹介しています。著者の渡辺和彦博士はミネラル研究に関してはかなり有名な方らしく他にもミネラルについての著書があります。

Amazon.co.jp: 渡辺 和彦:作品一覧、著者略歴

ニューステージ新生物図表

ニューステージ新生物図表

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これは高校生向けの生物図表集ですが、全ページカラーでかなり詳細に図や実際の写真が掲載されていて、且つ安い!(中古だと200円程度からありますね)ので文章だけよんでもイメージがつきにくい...という場合にはこの本を参照して、イメージを具体的にするという使い方がいいかなと思います。

土壌・微生物の活用

作物を作る上で欠かせないのが「土」です。*2

土を知り、作物に合わせて土をデザインすることで栄養価の高い野菜を作ることができます。

土壌微生物のきほん

図解でよくわかる土壌微生物のきほん: 土の中のしくみから、土づくり、家庭菜園での利用法まで

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この本は全編カラーで図や写真も多く、微生物や細菌、土の中の生き物について幅広く知ることができる本だと思います。あとまえがきがラピュタの引用から始まるのもステキでした。

土と施肥施肥の新知識

土と施肥の新知識―環境・資源・健康を考えた

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土壌の基礎知識(CECやEC、phなど)や土壌診断の方法や、作物別施肥の仕方などかなり幅広く土や肥料について学べる本になっています。単語も細かく説明がありますので、ボリュームの割には読みやすいかと思います。ついでにいうと、前述のミネラル研究に詳しい渡辺和彦先生も共著なので、土壌におけるミネラルの大切さについてはここでも触れられています。

ただし、土壌のチッソ分(植物の細胞を作る元)を無機化して植物に吸わせることが前提として話が展開されている部分も多く、後述の『有機栽培の基礎と実際』とは土の扱い方が異なるので、読み手側で適宜取捨選択が必要です。

有機栽培の基礎と実際―肥効のメカニズムと設肥設計

有機栽培の基礎と実際―肥効のメカニズムと設肥設計

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10年以上前の古い本ではありますが、BLOF理論を元に簡単な植物生理、施肥をする上での考え方、作物別の作り方のコツなど、網羅的に読みやすく紹介している本です。

また、上記本を分割して、作物別に詳しく書かれたシリーズ本もありますので、既に作る作物が決まっていれば、そちらを見てみるのもいいかもしれません。

Amazon.co.jp: 小祝 政明:作品一覧、著者略歴

環境制御

この分野は、露地よりハウス栽培向けの内容になりますが、潅水技術やベースの考え方は応用可能かと思います。 温度、湿度、天候、CO2濃度など様々な環境因子をコントロールして作物に最適な環境を作ってあげることで、消費者のニーズに応じた細かな機能を持った作物を作ることも可能になります(フルーツトマトとか)。

コンピュータによる温室環境の制御―オランダの環境制御法に学ぶ

コンピュータによる温室環境の制御―オランダの環境制御法に学ぶ

こちらは、オランダの施設栽培における教科書的な本の日本語翻訳版になります。物理、植物生理、工学、制御工学の分野にわけてそれぞれに必要な技術を例題付きで解説してくれる本です。かなり学術的な内容ですが、原理原則を知る上で重要かと思います。

施設園芸・植物工場ハンドブック

施設園芸・植物工場ハンドブック

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すいません、これは読んだことないのですが、、是非読んでみたい本です。ciniiの本紹介によると、

1冊で施設園芸と植物工場の要点をすべて網羅。施設や被覆資材の種類から、栽培管理、環境制御技術、養液栽培まで幅広く収録。施設園芸、植物工場の第一線の研究者・業界関係者約60名による執筆。進歩する施設園芸と植物工場を知るための最適な技術書。

とあるので、幅広く且つ深い情報が得られそうです。

さいごに

以上、たかだか1ヶ月程度の農業歴ですが、現時点でオススメの本をご紹介してみました。もし何か他にもいい本などありましたらコメントいただけると嬉しいです。

それと、ネット上や本で色々と調べてて感じたことですが、情報が正しいかどうかは最終的に自分で判断したほうがいいです。ネット上で書いてあるから、本に書いてあるからと鵜呑みにせずに、複数の情報と見比べるとか、そのトピックに関する論文を漁ってみるとか、実際に実験してみるとかして腑に落ちるところまでもっていければいいと思います。というのも、研究は日進月歩で、あの時はこう言っていたけど、今の時代はこうだ、みたいな感じで言っていることがまちまちだったりするので、常に疑いの目を持つようにしないといけません。就農した時に被害を被るのは自分ですので。ということで、本ポストもあまり参考にならないかもしれませんのであしからず(笑)。

*1:参考:最近の光合成研究の進展

*2:実際は、水耕栽培やロックウール栽培など土はもはや要らない時代にはなっていますが、有機JASでは現在土を使うことは必須になっていることや(例外としてしいたけの原木栽培はありますが)、僕らみたいに思想として「土を使いたいんだ!」とか、「栄養価を高めるにはやはり土が重要なんだ」と考える人もいると思いますので、あえてこういう表現にしています。