前回まで、有機JAS認証について学習してきました。今回は、エコファーマー認証の概要を学んでいきます。
エコファーマーとは
エコファーマーとは、 「持続性の高い農業生産方式」に基づき、化学肥料・化学農薬を慣行栽培よりも20%以上低減した農業を行い、その導入計画を県知事に認定された生産者のことです。
化学肥料・化学農薬の2割削減に加え、以下の3つの技術全てに取り組むことが指定されています。
- 土づくり:堆肥や有機質資材(稲わら)の施用、緑肥作物や草生栽培など。
- 化学肥料の使用低減技術:局所施肥、肥効調節型肥料の利用、有機質肥料の利用
- 化学農薬の使用低減技術:機械除草、生物農薬の利用、マルチ資材利用等
エコファーマーになると、環境保全型農業直接支払交付金による支援や農業改良資金の特例措置が受けられます。
エコファーマーは各都道府県の県知事が認定します。エコファーマーマークは各自治体によって異なります。
画像引用:エコファーマーマークの使用方法 | 福井県ホームページ
環境保全型農業とは
環境保全型農業とは「農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」です。エコファーマー認証がはじまる前から「環境保全型農業」の取組は行われていました。
エコファーマーになるには
- 土づくり、化学肥料・農薬低減技術の計画策定
- 農業支援センターへ計画書を提出
- 都道府県が計画書の内容を審査
- エコファーマー認定(認定書の交付)
徳島県の申請方法は品目別に詳細に記載されているので、参考になります。
エコファーマーのメリット
- 農業改良資金の貸付の特例がある(償還の延長)
- 機械・施設導入支援(エコファーマー対象のメニュー)
- エコファーマーマーク、省CO2農産物マークの使用ができる
知っておきたいTips
緑肥作物
緑肥作物とは、土壌を肥沃化する目的で栽培し、土にすき込む作物のことです。緑肥は土壌に休息を与え、物理的、化学的、生物的な改善が望め、地力維持と有害センチュウ防除に役立てます。マリーゴールド、ソルゴー、れんげ、コスモス、ヘアリーベッチ、大豆、クローバー、ひまわり等があげられます。
草生栽培
牧草その他の密生作物の植生によって傾斜地の畑面や法 (のり) 面を被覆して雨食を抑制すると有機質の土壌への給与の役目を果すが,このように他の作物の被覆によって作物栽培を行うことをいう。特に樹園地の土壌管理法として行われる。
画像引用:雪印系ナギナタガヤ / 雪印種苗株式会社
黄色灯
ヨトウムシ等の害虫の誘引と活動を抑制する黄色ランプ
参考:害虫防除用ランプ「エコイエロー(黄色高圧ナトリウムランプ)」
この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。