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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

『GDP4%の日本農業は自動車産業を超える』は農業界に飛び込む人は読むべき良書だと思った

こんにちは、みとです。

IT業界の片隅で4年、フリーランスで1年、そのあと紆余曲折あり、今は徳島有機農業サポートセンターというところで、農業のお勉強中をしている31歳です。

さて、今日は農業研修4日目の、農業ド素人な私が読んだとある本のご紹介です。

読んだ本

GDP4%の日本農業は自動車産業を超える (講談社 α新書)

新品価格
¥961から
(2016/3/28 18:15時点)

目次

はじめに 二〇一七年から始まる農地の大規模化

第一章 農業を殺した「戦犯」たち

第ニ章 世界5位を誇ったコメの実力

第三章 大進化するコメ農業の可能性

第四章 輸出産業となった日本農業

第五章 ロボットと農業参入者のシナジー

第六章 農業の「多面的機能」で世界に

おわりに これから一層面白くなる日本農業

著者

窪田 新之助さん

1978年、福岡県に生まれる。2004年に明治大学文学部を卒業後、日本農業新聞に入社。以後、同社の記者として8年間、年間100日ほどを国内外の取材にあて、農業政策、農業ビジネス、農村社会の現場をレポートする。2012年に退社、フリーランスとして食と農の取材を続ける。2014年、アメリカ国務省の「インターナショナル・ビジター・リーダーシップ・プログラム」に招待され、アメリカの農業の現場を視察(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

via amazon

この本は、これから農業に携わろうと思っている人にオススメ

当事者目線での「農家ってぶっちゃけどうなの?」を知るには、以前読んだ久松達央さんの『キレイゴトぬきの農業論』が大変参考になりましたのでそちらをオススメします。

対してこの本は、日本農業新聞社に8年間勤めていた記者さんの調査・フィールドワークによって日本農業の実態や、世界から見た日本の農業について俯瞰することのできる本です。

前半部分では他業界からすると目からウロコがでるような農業界の事実を知ることができますし、後半部分では著者が実際に農家を訪れた時のお話が中心です。文章もかしこまりすぎず、訪問時の風景描写がびっくりするほどきれいで、読んでいて飽きません。

正直最初はタイトル大げさで、本のカバーは意味不明で怪しい本だな〜と思っていました。でもいざ読んでみると、著者の、これから農業を志す人を全力で応援するようなメッセージが織り込まれていて、若い人にこそ読んで欲しい本だと強く思いました。

"今" 日本の農業は離農ブーム

この本で一番驚いたのは、2017年から、かつてないほどの規模で離農する人たちがでてくる という部分です。

本書の第一章の「これから始まる大量離農の実態」節に詳しく書いてありますが、2017年には農業に従事する人口の平均年齢が70歳を超えると予測され、同時に過去のデータによると70歳に離農する従事者が多いとのこと。

既に始まっている離農ブームを裏付けるようなデータで、妙に納得感がありました。

というのも、既に国としては、攻めの農業の一貫として、農地中間管理事業なるものを作り、耕作放棄地を買い取り安く売る取り組みをしていますし、新規就農者には、最大3年間に渡り補助金を出しています(青年就農給付金)。

また現場でも、借金ゼロで新規就農したとか、農地を譲り受けて億単位プレイヤーになったなんて話も聞きます。

こんな感じで、現状でも離農ブームを感じることが多かったところに、この本でデータが提示されたので、やっぱりか!という思いでした。

ということで、新規参入者にとっては追い風要素が多いので今が好機だと思います。

新しい農業

上記のようなチャンスを活かして、新しい事をしている人たちがいっぱいいます。そういう人たちを本書では紹介してくれていました。

  • JAに代わるフランチャイズ型経営
  • 社会福祉機能を備えつつもビジネスとして成立する経営
  • 六次産業化や観光などと絡めた多面的な農業
  • ロボットを導入した農業

etc...。

恐らく20件以上の多岐にわたる事例が紹介されていました。フランチャイズ経営などは目新しいものではないですが、より活発に、競争が激しくなっていくんだと思います。

これらに目を通すことで、"やってみたい農業"の方向性を絞りやすくなると思います。

個人的には、良く「農業は勘と経験でやってきたが、これからは科学的に農業をすすめる時代だ!」と聞くことが多いです。調べてみたら、色々ありました。

センサー群を利用して最適なタイミングで種まきをしたり水やりをしたり、収穫をしたり。また、トマトの収穫を手伝ってくれるようなロボットがいたり、筋電を捉えて力をかけずに重いものがモテるロボットだったり。それこそ、植物工場も一時期は話題作り的な感じでしたが、最近では、地元のイオンモールに植物工場ができてて、現実味を帯びてきたなと感じます。

でもそういった取り組みをしている人はまだまだ一部に限られています。なので、自分なりにターゲットを絞って細かく見てみると、改善できる余地を多く見つけられると思いますし、そこに価値を見出してビジネスチャンスにすることはできると思っています。

ニッチに攻めることが重要?

今の日本は「攻めの農業」ということで様々な補助事業を長期間に渡って展開しています。当然ながらより大きな「ヒト・モノ・カネ」はより大きな企業や力の強い農家さんに集まります。

例えば、本書でも紹介されていた、イオングループの100%子会社である、イオンアグリ創造という農業生産法人はすごいです。ニュースリリースのページを見ていただければ、上手に国のお金を使いつつ事業を拡大しているのが良くわかります。JICAや、農地中間管理事業、コンソーシアムへの入札公告など、すさまじいです。

なるほど、農業センサスによると、上位7%の販売農家だけが1千万円以上を稼ぎ、全体の60%の生産額を叩き出しているというデータがあるそうです。

ということで、駆け出しの農家さんや法人さんはこういった大企業と同じ土俵で戦っても勝ち目がないという感じがします。

なので、いかにニッチで需要のある事から始め、どうやってパイを広げていくか、の戦略にかかっていると思います(そういう点で、日本でまだ全国農家の1%のシェアも持たない有機農業は可能性が大きいと思います)。でないと結局JAの代替となる企業か仕組みが台頭してそこに従属するような仕組みになってしまいそうです。もしくは海外展開を視野に入れることもありかもしれません。

以上です。農業に興味のある方が本書を読んでみると、動きたくなってくると思います。オススメです。

では!