今日は、はじめての「土壌分析」の実習です。実習では、Dr.ソイルという検定器を使って土壌の成分を分析します。
画層引用:富士平工業農産機器部
ドクターソイルは65,000円、デジタル測定器は70.000円でジャパンバイオファーム等が販売しているそうです。土壌分析の方法については、先日の記事をご確認ください。
今回は、ざっくりとしたフォトレポートで実習の様子をお伝えします。今回の説明は、メモ程度のものになるので、詳細はテキスト等をご確認ください。
酢酸で土を溶かす
酢酸はpH=4.2で、根酸と同じpHです。酢酸で溶けた養分しか根は吸わないので、根が吸う養分だけ酢酸で溶かしていきます。
抽出液B 20ccに2ccの土を入れます。土を入れるとき、スプーンに入れた土の固さが圃場と同じ固さになるようにしましょう。シェーカーを締め、3分ふりまぜます。
ろ紙で液をこして抽出液と残りの土を分けます。
抽出液は、ほぼ透明です。この抽出液に試薬をいれることで、どの成分がどのくらい入っているのかを調べます。
それぞれ調べる成分別に試薬があって、抽出液にいれていきます。ドクターソイルで調べる成分は以下の通りです。
調べる成分
- アンモニア態チッソ(NH4)
- 硝酸態チッソ(NO3)
- リン酸(P)
- カリ(K)
- 石灰(Ca)
- 苦土(Mg)
- 鉄(Fe)
- マンガン(Mn)
試薬を入れる順番やタイミングに注意が必要なものや、純水を入れたあとに試薬をいれるものなど、それぞれやり方が決まっています。ドクターソイル試薬表をみながら、慎重に試薬をいれていきます。すると、このように試薬の色が変化します。
デジタル測定器で色を検知して含有量を調べる
試薬の色で、どのくらい含有しているかを判断するのですが、目視で測る方法とデジタル測定器で測定する方法があります。デジタル測定器の場合、パソコンにつながれた測定器に試験官を入れると、機械がその色を読み取ってその成分の含有量を測定してくれます。
目視で測定する場合
抽出液の反応色を目視で測定する場合は、比色表・比濁表を使って、色や色の濃さを見比べます。はじめのうちは、デジタル測定器で測定して、そのあと目視で確認をするほうが良さそうです。
画像引用:ジャパンバイオファーム
ちなみに、私の土壌分析の結果は以下の通りでした(デジタル測定器の数値)。
- アンモニア態チッソ(NH4):0
- 硝酸態チッソ(NO3):-2.864
- リン酸(P):66.14
- カリ(K)25.29
- 石灰(Ca):124.6
- 苦土(Mg):24.91
- 鉄(Fe):0
- マンガン(Mn):0
硝酸態チッソ(NO3)がマイナスの値になっていますが、これは機械の問題でゼロと考えていいそうです。他の人と値が違うものもあって、分析のときにミスをしてしまっていないか不安ですが、とりあえずはじめてのドクターソイル実習が終わりました。
pHを測る
土壌分析では、ドクターソイルを使って各成分を調べるだけではなく土のpHも測定します。土壌に最適なpHは6.8です。土のpHを把握していないと、アルカリ性が強い土にさらにアルカリ性の追肥をしてしまうといったことが発生してしまいます。なのでpHも測定します。
土壌に最適なpHは6.8
土壌のイオンについては、こちら記事「新規就農と知識「酸性土壌」」やこちらの記事「アルカリ性土壌の酸度矯正」 も参考になります。
画像引用:アルカリ性土壌の酸度矯正
pHは、HANNAという機器で測定します。溶液に挿せばすぐ使えるわけではなく、使う前に補正をしなければなりません。まず溶液の温度をはかります。そのあと酸性・アルカリ性それぞれ液体があって、ラベルに貼られた表を見ながら、温度とHANNAに表示された数値が一致するようネジをまきます。補正が終わったら、溶液にHANNAをさしてpHを図ります。
ちなみに、わたしのpHは6.1と、若干酸性が強かったです。このときは、酸性の肥料を追肥しないようにする施肥設計が必要になります。
今回の実習は以上です。ドクターソイルの使い方は、何度も何度も使うことで覚える必要があります。練習あるのみ!がんばります。
この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。