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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

中熟堆肥を使った太陽熱養生処理で根の活力アップ〜有機農業研修レポート〜

有機農業研修

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前回まで、光合成を活発にするのに大切な「ミネラル」、細胞を作るのに役立つ「アミノ酸肥料(アミノ酸態チッソ)」について学習しました。今回は「堆肥」についてです。

土壌団粒とは

土壌団粒は、粒の集まりがたくさん連なっているものです。

大きな粒の集まりの一粒>中位の粒の集まりの一粒>小さな粒の集まり

この粒どうしをつなげる「接着剤」となっているのが「炭水化物」です。堆肥は、畜糞や植物の繊維(セルロースやリグニン)などが溶けたものでです。畜糞も元々は植物なので、家畜の健康状態がよければ使うことができます。

堆肥の原料

堆肥の成分原料堆肥
タンパク質 牛ふん、鶏糞 菌体チッソになる
セルロース バーク、もみがら 菌のエサ(糖)になる

アミノ酸肥料と堆肥の区分(C/N比)

BLOF理論で登場する3つの資材の働きや成分をまとめると以下の表の通りになります。

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堆肥もアミノ酸肥料も、成分でいえば「アミノ酸」で同じですが、どこで役割を分けるかというと、C/N比というもので区分します。

C/N比炭素C / チッソN

例えば、C/N比が、11/1の場合、炭素が11、チッソが1の割合で含まれているということになります。このC/N比(炭素とチッソの比率)が11/1以下のものを「アミノ酸肥料」といいます。

アミノ酸肥料 C/N比が11/1以下
堆肥 C/N比が15/1〜25/1

土壌の微生物は、炭素/チッソの割合が12/1となっていて、このペースで土を分解(食べる)していきます。

C/N比=15/1以上の肥料の場合

炭素/チッソ=15/1以上の炭素が多い肥料は、土壌の微生物に分解されても炭素が余ってしまいます。この炭素は微生物のエネルギー源となり、二酸化炭素に分解され、土を団粒化します。

余った炭素(炭水化物のカタチで余っている)

炭水化物 CH2O は、炭素C +水H2Oの組み合わせ

<酵母菌の働き>

ブドウ糖C6H12O6→エチルアルコール2C2H5OH+二酸化炭素2(CO2)

酵母菌などが働くと、二酸化炭素ができます。

さらに、水や雨が加わると

二酸化炭素(CO2)+水(H2O)→炭酸ガス(H2CO3

と反応し、土がフカフカ(土壌団粒化)になる。

雨がふると普通は畝が潰れて、土が窒息をおこします。でも堆肥は、雨がふるたんびに炭酸ガスが発生し、炭酸ガスによって土壌が団粒化されフカフカになります。

C/N比=11/1以下の肥料の場合

炭素/チッソ=11/1以下の肥料は、微生物の分解割合と比べるとチッソが多いため、チッソが余ります。この余った窒素が植物に供給されます。炭素/窒素=11/1以下の有機物肥料をアミノ酸肥料と呼び、堆肥と区分しています。

※注意※ アミノ酸肥料と堆肥の区分けは「12」とする場合と「11」とする場合があるので注意しましょう。

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あしが生えた人参ができるのはなぜ?

良く見かける足がふたつ生えた人参。こうなるのには土壌団粒化が関わっています。

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画像引用:日々のあれこれ・・半分ゲーム - 楽天ブログ

人参はまず直根がでます。この直根が人参の長さになりますが、 直根が伸びていった時に堆肥のカケラがあると、そこからチッソが供給されます。チッソは細胞をつくるので、より(倍に)細胞を作ろうとなってしまい、二股に分かれてしまいます。また、有機農業の場合、アミノ酸チッソを使うので、葉を経由せず直接根に働きます。

ふた足の人参ができないためにも、堆肥は溶けやすくしなければならないし、土に溶けるまでしっかり養生しなければなりません。溶けて液体になれば、土の塊にもしっかり染み込みます。また、堆肥には炭水化物アミノ酸も含まれているので、それを酵母菌がエサにして炭酸ガスを発生させます。すると、土の塊もくだけてフカフカの土になります。

堆肥の6つの効用

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① 土壌団粒をつくり土壌の物理性をよくする。

昼間は微生物が活発に働きます。そのため炭酸ガス(二酸化炭素)もできて土がフカフカに膨らみます。夜間になると、空気中の温度が下がるので冷えて土は圧縮します。

昼間:微生物が活発。二酸化炭素ができてフカフカ(膨張)

夜間:冷えて圧縮をする。

② 有機のチッソを長く供給する。

微生物の糞にはチッソが含まれているので、ゆっくり長くチッソを供給することができるます。即効性のあるフィッシュソリブル(抽出型アミノ酸肥料)と堆肥の両方いれると、効果曲線が平均的になります。チッソ(アミノ酸肥料)の79%は葉緑体になるため、最初のうちにチッソをいれて、植物に葉緑体をたくさんつくってもらいます。そのため、最初のチッソの役割(スタートダッシュ)は重要です。スタートダッシュの勢いもあって、長期的につづくのが理想なので、アミノ酸肥料と堆肥を両方入れます。

抽出型アミノ酸肥料 ⇒ 最初のスタートダッシュで葉緑体をたくさんつくる

堆肥⇒微生物からチッソを長く供給する

③ 微生物を豊かにする。

堆肥は微生物の棲家となります。アミノ酸・炭水化物は、微生物のエサとなります。

④ 保肥力がある。

堆肥は、チッソやミネラルを吸着し流亡を防ぎます。
⑤ ミネラルを可溶化する力がある。

堆肥は、腐植酸*をつくりミネラルをキレート化し吸収しやすくします。堆肥をうえることによって、ミネラルをイオンのまま長く保持することができます。

* センイやデンプンが分解されて糖になり、さらに分解されてできる有機酸になる。この有機酸を中心とした有機酸の集合体が腐植酸。

⑥ 水溶性炭水化物(アミノ酸)が地力として働く。

 堆肥があることで、根っこからも炭水化物を吸うことができます。 

堆肥ができる大まかな流れ

堆肥とは、センイやデンプンなどが微生物によって発酵分解して液状化したものです。

  1. センイデンプンなど炭素の多い有機物を混ぜる
  2. 糸状菌が働き、糖が作られる
  3. 糖をエネルギーに納豆菌・放線菌・酵母菌・乳酸菌・酢酸菌などが働く
  4. 有機酸ができる
  5. 腐食酸(フミン酸)やフルボ酸ができる(有機酸の集合体)

腐蝕酸はミネラルをカチっとくっつけてキレート化し、植物がミネラルを吸収しやすい状態を保つことができます。

腐植物質は、アルカリに溶けて酸には溶けない「腐植酸(フミン酸)」、アルカリにも酸にも溶ける「フルボ酸」、アルカリにも酸にも溶けない「ヒューミン」の三つに分けられます。

参考:現代農業:腐植酸ってなに?

発酵の流れ

 一次発酵二次発酵養生発酵
日数 7〜10日 30日前後 10〜14日
温度 60℃まで上昇させる 50〜60℃ 40〜45℃
水分 50〜60% 40〜45% 20〜30%
送風量 2〜3% 2% 1%
活躍する
微生物
糸状菌(カビ) 納豆菌
クロストリジウム菌
放線菌
酵母菌
納豆菌    
放線菌
①一次発酵

水分50〜60%、C/N比18〜27で、堆肥の材料を置いておくと、自然に微生物が増殖し温度が上がり始めます。7日~10日をかけて、常温から60℃までゆっくりと温度を上げていきます。このとき、空気量などを調整して60℃までは温度があがらないように注意します。

糸状菌の活躍により、堆肥の原料の中でも分解しやすい物質(ふんやデンプン)を糖とアミノ酸に分解させます。糖とアミノ酸は、二次発酵で微生物のエサとなります。

【一次発酵】約7〜10日

発酵環境:水分50〜60%、C/N比18〜27で60℃まで温度を上昇

糸状菌(通性好気:酸素供給で活発に)

└ 易分解性タンパク質(ふんやデンプン) →糖とアミノ酸*に分解

* 糖とアミノ酸は水溶性炭水化物

②二次発酵

二次発酵では約30日間、温度50~60℃、水分量40〜45%の間で維持します。

一次発酵でできた糖とアミノ酸をエサにして納豆菌や放線菌が増殖し、分解しずらい物質(センイ)を加水分解(粗切り状態)します。また、酵母菌はタンパク質をアミノ酸やサイトカイニン(植物ホルモン)に分解します。これらの菌が活動するにつれ土は酸素不足になっていきますが、その状態になると絶対嫌気のクロストリジウム菌が活躍し、セルロースを二酸化炭素と水に分解します。

この時、温度が60℃以上に上がりすぎてしまうと、有用菌が活発になりすぎてムダなエネルギーを使ってしまうため、温度管理には注意しましょう。また納豆菌が活躍しすぎると有用菌も繁殖できなくなるため、エアーレーション等で活動を抑制します。

【二次発酵】約30日前後

発酵環境:水分40〜45%、温度50~60℃

納豆菌(好気)

難分解性タンパク質(センイ) → 粗切り状態に分解

放線菌(好気)

キチン質(害虫の固い外壁)を分解

酵母菌(通性嫌気)

タンパク質 → アミノ酸やサイトカイニン(植物ホルモン)

クロストリジウム菌(絶対嫌気)

セルロースを二酸化炭素を水に分解に分解

③養生発酵

発酵温度が下がり、アンモニアの匂いがしてきたら、温度40〜45℃、水分量20〜25%になるように10日~14日かけて少しずつ下げながら、微生物を落ち着かせます。こうすることで微生物は休眠状態に入るので、微生物も微生物のエサも豊富な堆肥ができあがります。

養生発酵では、納豆菌(バチルス菌)が、二次発酵で粗切りにしたセンイをさらに分解して、水溶性炭水化物をつくります。また放線菌も引き続き活躍し、キチン質を分解していきます。

【養生発酵】10〜14日

発酵環境:水分20〜30%、温度40~45℃

納豆菌(好気)

粗切りにしたセンイ → 水溶性炭水化物

放線菌(好気)

キチン質(害虫の固い外壁)を分解

太陽熱養生処理の流れ

  1. 土壌分析を行い、施肥設計をする。このとき、チッソ飢餓*にならないように、チッソ量を1.2〜1.3倍多めに施肥する場合があるそうです。(*微生物が分解する上で、チッソも必要になります。チッソ量が少なくなりすぎると、チッソ飢餓が起こり分解が進まなくなります)
  2. 中熟堆肥をアミノ酸肥料、ミネラルといっしょに施肥する。(バチスル菌の多い堆肥と、炭酸ガスを効率よく発生させる酵母菌やクロスストリジウム菌を入れると効果的。)
  3. トラクターなどでよく混合し、畝を立てる。
  4. 畝にたっぷりの水分を入れる。(約40%)
  5. 透明シートで覆い、水分を逃げないようにする。また、堆肥から発生したガスが漏れないようにする。
  6. 60℃まで上昇させ、菌を休眠状態から覚まします。積算温度*が900℃になるまで、温度をかける。(*表面から5㎝の所の1日の最高気温の積算)900℃以上に、積算温度が上がってしまうと、微生物が働きすぎて堆肥の養分がなくなってしまうので注意しましょう。
  7. 透明シートを剥いだら、その畝を壊さず、そのままそこに作付を行う。
60℃ 雑草のたねが死滅する
45℃ 元々いたカビが生きてけなくなって糸状菌と放線菌の主戦場になる
30℃ 堆肥を撒いて3日で土壌団粒ができる

なぜ太陽熱養生処理がいいのか

太陽熱養生処理は、以下のようなメリットがあります。中熟堆肥を使うことで、菌と菌のエサが豊富です。

  • 太陽熱養生処理を行い温度を上げると、菌が活発にすることができます。
  • 高温や菌の酵素によって、糸状菌などの病原菌が死滅する
  • センチュウや黄金虫の幼虫などを弱らせる。

その他にも、以下のような方法があります。

太陽熱殺菌処理
  • 太陽熱殺菌の場合は、石灰チッソワラなどの有機物を施用し、土壌微生物を殺菌し、雑草の種子を死滅させます。
  • 土壌を還元状態にすることで、酸化されていた鉄やマンガンなどのミネラルがイオン化し、植物が吸収しやすい状態にできる。
太陽熱湛水処理
  • 堆肥を施用し、湛水処理を行う。そうすることで、堆肥を腐敗させて硫化水素などを発生させて、土壌微生物を殺菌し、雑草の種を死滅させる。
  • 土壌を還元状態にすることで、酸化されていた鉄やマンガンなどのミネラルがイオン化し、植物が吸収しやすい状態にできる。

微生物の種類と特徴

「ごちそうがあったら早いものがち」というのが、自然界の法則です。堆肥の”生物性”は,有効菌(酵母菌、納豆菌、放線菌)が、しっかり堆肥で働かせることを指します。また微生物が活動すると土の温度は上昇し、酸素やエサとなる炭水化物も少なくなります。

糸状菌 特徴 カビの仲間
効果 デンプンを糖や小さな炭水化物に分解
気性 好気
温度帯 15〜40℃ *種類によって異なる
採取・培養法 酢飯から採取。米ぬかで培養
酵母菌 特徴 カビの仲間
効果 糖をエサに、体の中でアミノ酸、ビタミン、核酸、ホルモンなど様々なものをつくり出す
水中など酸素のない状態では糖をアルコールと炭酸ガスに分解。
酸素があると各種のアミノ酸などを合成する
有機物の腐敗を防ぐ
気性 通性嫌気
温度帯 〜45℃
採取・培養法 酒粕、アケビ等から採取。糖と大豆の煮汁等で培養。
放線菌 特徴 白糸状・粉に見える。堆肥の上5〜10cmに出やすい。
効果 キチン質(虫の固い殻)や害虫センチュウ、フザリウム菌を分解
気性 好気
温度帯
採取・培養法 落ち葉下の腐葉土
納豆菌 特徴

バチルス菌・枯草菌も仲間(総称して納豆菌と呼ぶ)

活発に活動すると、温度が上がる

有用菌の増殖も防いでしまうため、エアーレーション等で納豆菌を抑制する。

効果 タンパク質をアミノ酸に分解(タンパク質分解酵素)
セルロースを水溶性炭水化物に分解(セルロース分解酵素)
粘質物質を出し団粒化に役立つ
菌(有用菌も含む)の繁殖を防ぐ
気性 好気
温度帯 30〜65℃ *高温下でも増殖可
採取・培養法
クロストリジウム菌 特徴 酸素が全くないところでも活躍できる
効果 セルロースを二酸化炭素と水に分解
気性 絶対嫌気
温度帯 60℃以上も可
採取・培養法

微生物についてはこちらの記事に詳細をまとめています。

中熟堆肥がなぜいいか

微生物の数と種類、利用できるチッソの量も中熟堆肥のほうが多いです。完熟堆肥の場合、チッソの発現が中熟よりもかなりゆるやかで長期的な効果曲線になります。また納豆菌や放線菌、酵母菌も中熟のほうが活発です。未熟堆肥はカビが多いため、植物の病気になってしまいます。

完熟 分解できる有機物がほとんどない状態。微生物も少ない。
中熟 有機物もある程度あるし、それをエサにする微生物もいる。
未熟 カビが多く、植物が病気になってしまう。

テキスト『有機栽培の肥料と堆肥』100ページに中塾堆肥の作り方の目安が記載されています。中熟堆肥は、一次発酵→二次発酵→養生発酵の行程でつくります。

つまり、中熟堆肥の方が、菌も多いし菌が活動するエネルギーもまだ残っている状態のため、植物にとってもいい状態です。しっかりと養生期間をもち、菌が落ち着いてきたときに種をまくのがベストです。(効果曲線がピークになったとき)

菌の組み合わせごとに狙った効果を出す

堆肥をつくるときはカビ(糸状菌)の力を借りて一次発酵を進めますが、最後までカビが残ってしまっては植物がカビにやられてしまいます。(植物の病気の多くはカビが原因)そのため「納豆菌(バチルス菌)」を活発に活動させ、温度を上昇させカビを死滅させます。堆肥作りでは、納豆菌を中心に環境を整えていきます。

<納豆菌が好む環境>

水分50%、C/N比25以下、pH=6.5、通性好気にする 

堆肥と一言にいっても、上記で示した6つの役割のうちどれを目的にするかを絞り、目的別の堆肥を作ることもできます。

養生発酵の時、納豆菌が粗切りにしたセンイを水溶性炭水化物に変えます。そのとき、以下のような菌を使うことで、効果を出すことができます。

納豆菌(カビ殺し)+酵母菌(低温)→ 肥料効果・団粒化
酵母菌にはミネラルやホルモン、ビタミン、核酸、アミノ酸などが付いていて酵母菌が死んでも土の中にこれらの養分が存在することができます。また、酵母菌は糖を二酸化炭素とアルコールに変える力もあり、団粒化にも役立ちます。

納豆菌(カビ殺し)+クロストリジウム菌(絶対嫌気)→ 腐敗防止
クロストリジウム菌には、酸素が全く無いところでセルロースを二酸化炭素と水に分解する力があります。例えば、お米を作ったあとにワラを散布しますが、この時クロストリジウム菌が多い堆肥も撒くと、セルロース(ワラ)を二酸化炭素と水に分解してくれるので、ワラが腐敗しません。
納豆菌(通性好気)+放線菌(絶対好気)→虫や菌を抑制

  • 放線菌は、キチン質(根っこを食べる害虫や虫の固い外壁)を分解する働きがあり、放線菌を入れることで虫のつきにくい土になります。
  • 放線菌はカビを抑制する働きもあります。
  • 放線菌は対バクテリアの抗生物質を作る役割があります。
狙う効果設定環境活躍させる菌
虫や菌を抑制 高温+好気 放線菌
腐敗防止 高温+嫌気 クロストリジウム菌
肥料効果・団粒化 低温+嫌気 酵母菌

CECとは

土壌分析をしたあと、施肥設計ソフトで計算するのが「CEC」という値です。CECは、簡単にいうと土がどれだけ養分を吸着できるかを示す値です。(土の度量)

CEC =土の"度量"。どれだけ養分を入れられる

マイナスを帯びた土に、プラスの水素や養分が吸着

土の成分はケイ酸やアルミでマイナスイオンで、陽イオンの「水素」を帯びています。肥料(例えばCa)が入ると、Caと水素を置き換わって土にCaが付着します。このように、どれだけ陽イオンを水素を置き換えることができるかを示す値がCECです。

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土の表面積が増えれば(団粒化で表面積が増れば)、その分付着できる面積が増えるので、より養分を吸着しやすくすることができます。

堆肥を入れることでCECをあげる

堆肥を施用することで、土はフカフカ(団粒化)になり、容量の大きな土壌に改良していくことができます。例えば、CECが10のところには石灰を100kgしかいれることができません。つまりその分しか、植物にも届かないことになります。もし、CECが10のところに無理やり200kgの石灰をいれるとpH値が7.0まであがってしまい、作物にちょうどいいpH6.5を超えてしまいます。堆肥をいれることにより、CECを上げ石灰も多く入れることができます。(CEC=20の土には、石灰を200kg入れられる)

ポイント

  • 作物にちょうどいいpHは6.5。
  • 堆肥を入れることでCEC値を上げ、容量の大きい畑にする。

実践:じゃがいもの施肥量を考えてみよう

テキスト『有機栽培の野菜つくり』 105ページにある「施肥一覧」をみると、チッソ割合という項目があって(堆肥:アミノ酸肥料)の割合が記載されています。例えば、他の野菜に比べ、じゃがいものアミノ酸肥料の比率は高くなっています。

じゃがいもの場合(堆肥:アミノ酸)⇒5:5

じゃがいもは、元々の種芋から小芋ができるため最初の20日間で芋の数が決まります。そのため、アミノ酸をガツンと多めにいれて、細胞作りを促進させます。

堆肥でバチルス菌を活発にするためのテクニック

バチルス菌(納豆菌)は、以下の環境で活動が活発になります。

  • 60℃
  • 水分 50%以上
  • pH = 6.5
  • C/N比 = 15〜25 

pHを調整するために、消石灰をいれて調整する場合があります。その場合、10Lの堆肥に水を入れてシャバシャバの状態にし、消石灰を100gずつ加えて、pHの変化を記録します。pH=6.5になったときの消石灰量を元に、堆肥全体の体積から必要量を計算します。

今回の学習は以上です。次回は「土壌分析の概論」です。

Tips

授業の本筋とは少しずれますが、補足や参考になるトピックをご紹介します。

養生は7月にする

最近ではみんな7月に養生しているらしいです。

農家Hさんの堆肥づくり

農家Hさんの畑では、堆肥づくりの時に点滴灌漑で水も入れているそうです。また、カビを殺すには熱を加えて18時間後なので、水を夕方に撒いています。そうすると翌日のお昼(18時間後)にはカビが死滅しているそうです。敵をよく知り、敵の嫌がることをするのもまた農業の技術です。

 

この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。