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ミトミネ農場

IT業界の末席から農業の世界に飛び込んでみて日々感じたことや学んだ事を書き連ねます。

BLOF理論(Bio Logical Farming:生態系調和型農業理論)とは 〜有機農業技術〜

有機農業研修

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画像引用元:とくしま有機農業サポートセンターブログ

前回は、栄養価の高い野菜を作るために必要な事や土作りでどれだけ環境を整えるかが重要かについて学びました。今回は、いよいよBLOF理論の概論に触れていきます。

このBLOF理論は大まかにいうと、以下の3部分から科学的に考察して農業をしていくという理論です。

  1. 堆肥(堆肥を使った土づくり)
  2. ミネラル( 生命の維持活動不可欠で、防御能力を高める)
  3. アミノ酸肥料( 細胞をつくる)

今回は、この3つの要素についてざっくり学んでいきます。それぞれの詳細は、また別の記事で解説します。

1.堆肥

農業では、「土の化学性」「土の生物性」「土の物理性」の3つの考え方がありますが、堆肥の役割は土の物理性と生物性を整えることです。(どれだけフカフカで微生物が元気な土を作れるか)

20世紀は化学肥料でなんでもできると考えられていましたが、どんどん植物のメカニズムが解明されるにつれ、"堆肥"が必要だということがわかってきました。日本政府としてもエコファーマーと認定することで、堆肥を使うことに推進しているそうです。

また堆肥は炭素(C)を効かせるために使います。

2.ミネラル

ミネラルは、光合成能力を高め、さらに光合成で合成される「炭水化物」の製造能力を高める役割があります。炭水化物を効率的に製造することは、生命維持・防御能力を高めることに役立ちます。

ミネラルとは、有機物を校正している窒素(N)、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)以外の生命にとって欠かせない元素のこと。ミネラルは植物のカラダをつくったり体内の化学反応になくてはならない存在。

数種類あるミネラルの中でも、植物にたくさん必要かどうかという観点で以下のような分類ができます。

多量要素 リン酸(P)、カリウム(K)、石灰(カルシウム:Ca)、苦土(Mg:マグネシウム)、硫黄(S)
中量要素 鉄(Fe)、マンガン(Mn)
微量要素 銅、亜鉛、塩素、ナトリウム、ホウ素、モリブデン
例外 ケイ酸(シリコン、ガラスの原料)

例外としている「ケイ酸」ですが、実はケイ酸がなくても育つ植物があります。一方で、ケイ酸を入れるととても育つ(パワーアップする)植物があります。きゅうりの棘も実は「ケイ酸」で、光を乱反射させることで、光の吸収量を高めているそうです。

また、植物体内には60種以上のミネラルがあり、内17種類はそれが不足すると生命活動を続けることができなくなる生きていくために必要不可欠なミネラルであります。

光合成に必須 苦土、マンガン、鉄、銅、塩素
生命維持に必須 鉄、マンガン、銅
防御に必須 石灰、ホウ素、ケイ酸、銅、塩素

3. アミノ酸肥料(アミノ酸態チッソ)

アミノ酸肥料は「アミノ酸態チッソ」のことです。アミノ酸態チッソをうまく使うと、植物の生育スピードをあげることができます。チッソは細胞を作るもとになる物質です。有機農業は、積極的に肥料を施すことで生育のスピードを早める栽培です。

チッソ = 細胞をつくるもと。生育のスピードアップに。

またアミノ酸肥料(アミノ酸態チッソ)は、チッソ(N)を効かせるために使います。

これから学ぶこと

これから学習していくのは、以下の2つのことになります。

  1. 植物生理…植物がどのように生きているか
  2. 肥料知識…植物がよりよく生きてもらうにはどうすればいいか

肥料知識の中で、上記の堆肥・ミネラル・アミノ酸肥料がどのような働きをしてどのように使うかを学んでいきます。

有機農業技術導入とその結果

有機農業が進むにつれて、以下のような技術が導入されてきました。

  • ミネラル施肥によって光合成能力を高め、炭水化物の製造能力を高める。
  • アミノ酸施肥で細胞製造能力を高める。
  • 太陽熱養生処理で根の量を増やし栄養吸収能力を高める。

その結果、以下のようなメリットがでてきます。

  • 重量が増す
  • 生産が安定する(スピードアップ、健康に育つ)
  • 密植できるようになる(根っこの量が多い)
  • 連作ができるようになる
  • 生育スピードが速くなる

一昔は、手間は掛けるのに収量も少ないというのが有機農業のイメージでしたが、現在では技術導入によって栄養価の高い野菜がたくさん取れるようになりました。

有機農業のジレンマ

生育スピードが速くなるということは、その分太陽に当たる時間が減るということになるので太陽由来の栄養価が下がってしまいます。そこで、あえて生育スピードを落とす"ブレーキング技術"を導入してじっくり栽培するようになります。すると収量が減ってしまいます。

これが有機農業のジレンマでもあります。現状、多くの農家さんは「生産量を減らないが、栄養価をある程度保つ」という落とし所なのだそうです。それでも普通の野菜よりしっかり作られているので、おいしい野菜ができるそうです。

自然の法則は曲げられない

いくら技術が進んだとしても自然の法則は曲げられません。私達は自然の法則を深く学び植物生理に従い生育環境を整えることで植物が自力で生育するうことを助けることしかできません。

  • 葉の炭水化物製造能力が高い方が良い。
  • 新しい細胞を作る能力が高い方が良い。
  • 根の量が多い方が良い。
  • ミネラルを吸収する根毛が多い方が良い。
  • 土がフカフカで根の吸収量が多い方が良い。
  • 水がないと植物は栄養を吸収することができないので適量がよい。 

次回は、「光合成の仕組みと能力向上」について学習していきます。

 

この記事は、研修を実施する「とくしま有機農業サポートセンター」の許諾の元、筆者の復習を目的に記載されています。内容の正確性を保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。内容に誤りや不適切な点があった場合こちらまでご連絡いただけると幸いです。